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更新日:2023/11/11

詐欺メール防衛戦:詐欺メールの見分け方 初級編

個人的なメールアドレスにせよ、会社で使っているメールアドレスにせよ、どこから嗅ぎつけるのやらいつの間にか不審メールが届くようになるのはもはや日常風景。そしてそれは大企業も中小企業もあまり大きな差異はない。そして、こうした不審メールや詐欺メールと呼ばれるものが、攻撃の入り口となるケースが7割から8割に登ると言われており、決して甘く見てはいけないものとなっている。騙されてしまった時には然るべき対処を素早く行うことが何よりも大事である。

とはいえ、自分が詐欺メールに引っかかったことに気付けないのであれば、当然対処をしようと思い当ることすらないだろう。ここではどのようなタイプの詐欺メールがあって、どういうところを怪しいと考えれば良いのか説明していく。

詐欺メールの種類

まず、一口に詐欺メールと言っても色々種類がある。こういうものあるのかと気付きのための一助にしていただきたい。

# 種類 概要 特徴
1 URL型のフィッシング
※フィッシング(Phishing):個人情報を窃取するタイプの詐欺メール
URLをクリックさせて悪性サイトに誘導し、個人情報を奪い取ろうとするもの。
※以下のサイトで最新の情報が紹介されている
悪性のURLがメールに含まれており、URLを開くことで悪性サイトに誘導される。悪性サイトではログイン画面やクレジットカード情報を入力する画面が表示されることが多い。入力してしまうと、こういった情報が奪われ悪用される可能性が高い。
上記の症状が多いが、悪性ファイルがダウンロードされウイルス感染する可能性もある。
2 添付ファイル型のフィッシング 「.html」や「.htm」の拡張子の添付ファイルがついており見積書(注文書や請求書のこともある)を確認してくださいというもの。 添付ファイルを開くことで、悪性サイトに誘導される。背景にはぼかしのかかったExcelが表示されることもある。悪性サイトではログイン画面が表示されることが多い。入力してしまうと、こういった情報が奪われ悪用される可能性が高い。
上記の症状が多いが、悪性ファイルがダウンロードされウイルス感染する可能性もある。
3 悪性添付ファイル 添付ファイル(Excel、Word、zip、exeなど様々)がついており、内容を確認してくださいというもの。2022年に大くの被害を出したEmotetウイルスはこのタイプ。 添付ファイルを開くことで、ウイルスに感染する。ExcelやWordの場合は、マクロを有効にしてしまうことで感染するケースが多い。
4 恐喝メール
(セクストーション)
あなたの端末をハッキングして恥ずかしい動画を撮影したので、家族や友人にバラされたくなければ仮想通貨を支払うよう要求するもの。 悪性のURLや添付ファイルはないものの、メール文面には恐喝の文章とともに仮想通貨のウォレットアドレスが記載されており、恐怖心に付け込んで金銭を騙し取ろうとする。
モノによっては、メールタイトル等に過去使ったことのあるパスワードが記載されているケースも報告されている。そういったパスワードを未だに使っている場合は即時パスワード変更を実施いただきたい。
5 ビジネスメール詐欺 色々なバリエーションがあるが、基本的に金銭目的。会社のお偉いさんになりすまして銀行口座への振込を迫るものもあれば、取引先になりすまして振込先の銀行口座が変わったので変更後の口座への振込を求めてくるものや、ウイルス対策ソフトの自動更新通知など覚えのない請求書がいきなり送られてくるものもある。 ウイルス感染を狙うというよりは金銭目的が主。返信したりメール文面記載の電話番号に電話してしまうと、あれよあれよという間に金銭を騙し取られる可能性が高い。メールの内容とは別ルートで相手と連絡を取り、事実関係を確認することが大事である。
6 ロマンス詐欺 その名の通り、男女関係から攻めてくるタイプ。婚活等で悩んでいる人は特に注意。最終的には金銭を騙し取られるケースが多いが、人の良心に付け込んだものであるため、精神的なダメージも大きいかもしれない。 最近ではメールというよりもメッセージアプリから連絡が届くケースが多いと思われる。SNS等で公開している情報が悪用されたことで、あなたに連絡している可能性もある。SNSで公開する情報は慎重に判断いただきたい。
7 その他のスパムメール 覚えのない送信元から送られており、単純に宣伝目的のものもあれば、1行程度挨拶が書いてあるだけのもの、本文に何も書かれていないものもある。 そのメール自体にはあまり実害はないものの、お使いのメールアドレスが存在し有効なものであるかを確認する意図もありうる。返信してしまうと、以降詐欺メールが増える可能性があるため、原則こういったメールは無視/削除する。

また、大きな台風や地震など自然災害が起こった際に、義援金を募ると見せかけた詐欺メールが出回ることが多い(上記のどのパターンもありうる)。時局に応じて、騙されないようご注意いただきたい。

その他、メールではないがSMS(電話番号でメッセージできるやつ)を悪用した手口も存在する。このような手口をスミッシングと呼んだりもするが、あまり知名度は高くないようである。

本物か詐欺か判断がつかない場合は、IPA(情報処理推進機構)の情報セキュリティ安心相談窓口で電話やメールで相談することができる。筆者が取得している資格の一つに「情報セキュリティスペシャリスト」があるが、この資格をはじめとする情報処理技術者試験の運営をされているのがIPAである。経済産業省所管の独立行政法人、つまり国の関連機関でもあり、信頼できるところなので困った際は泣きついていただければと思う。

メールの外見で分かる範囲での見分け方

以下のような特徴が多いほど、詐欺メールの可能性が高いといえる。同時に、こういうメールを送ってしまうと詐欺メール扱いされてしまい、迷惑メールフォルダ行きになる可能性が高いことにも留意していただきたい。とはいえ、最近の生成AIの情勢からすると、以下のような見た目で判断できる分かりやすいものは徐々に減っていき、より巧妙化した詐欺メールが増加していくものと推測される。

  • 送信元メールアドレスが...
    • メールアドレスの最後が「.cn」(Chinaの国ドメイン)になっている
    • 受信者のメールアドレスになっている
    • Gmailなどのフリーメールが使われている
    • @より後ろが何か変
    • 単純に知らない人
  • メールタイトルや本文が...
    • 「24時間以内に」など時間制限を記して焦らせようとする文面になっている
    • 日本では使わない漢字があったり、中国風のフォントになっている
    • 本文が文字かと思いきや画像になっている
    • とてもビジネスメールとは思えない文面
    • URLが書いてあるだけ
    • 「こんにちは、XXさん」と書いてあるが、メールアドレスから名前を推測しているように見える
    • 日本語の文面ではあるが「親愛なるXXさん」のように、いかにも英語の文面をそのまま訳したような内容

詐欺メールに引っかかってしまったと思われる際は、こちらを参考に必要な対処を実施する。

【動画】メール📩の送信元情報って…どこまで信用できるの🤔🤔🤔

前半でIPAさんの安心相談窓口だよりをご紹介させていただき、後半ではThunderbirdを使った送信元詐称の実演を行います。

  • 引用させていただいた情報
  • IPA安心相談窓口だよりの2つ目、恐喝メール(セクストーション)に関する動画中の説明が不十分なので、こちらで補足させていただく。恐喝メールの件名に実際に使ったことのあるパスワードが記載されているケースがある、という件である。これは、メール文面の通りお使いのPCやスマホがハッキングされて漏洩したというよりも、別経路で漏洩した情報が悪用されている可能性が高い、という認識を持っていただければと思う。例えば、過去に会員登録したことのあるWebサイトが攻撃を受けたことであなたのID・パスワードが漏洩し、ダークウェブのマーケットでそういった個人情報が売買され、今回のような恐喝メールに悪用されているケースが挙げられる。

    うちの所員がそういった恐喝メールを受信したという話も動画の中で出ているが、この際具体的に示してしまおう。恐喝メールの件名には「poipoi3puipui」と記載されていた。これは、その所員が過去実際に使ったことのあるパスワードであったそうだ。ただ、パスワードの使い回しはせず、どこのサイトでどのパスワードを使っているかしっかり管理できていたため、「農家のおしごとナビ」というサイトで使っていたパスワードであることを特定することができた。インターネットで調べてみると、2018年12月に会員情報の漏えいの可能性に関するご報告とお詫びの記事がそのサイト上で公開されていた。どうやらこちらのサイトが攻撃された際に、このパスワードが漏洩したようだと分かった。ここまで確認できると、原因は自分のPCがハッキングされたからではなさそうだと言えそうである。

    これも、パスワードの使い回しをしておらず、どこのサイトでどのパスワードを使っていたか管理できていたから、判断できたことである。やっていなかったら特定することは困難であろうし、パニックになる可能性も高まることと思う。2人に1人はパスワードの使い回しをしているという話も出ている昨今、ぜひパスワードの管理方法の見直しをお願いしたい。

    ちなみに、こちらのサイトではお使いのパスワードが漏洩しているかどうかチェックできるが、「poipoi3puipui」で調べてみるとしっかり「漏洩しているよ!」と結果が出たりする。もしパスワードの使い回しをしているようであれば、一度このサイトで漏洩していないか確認してみていただきたい。

    また、「農家のおしごとナビ」様の名誉のために付け加えておきたいが、サイバー攻撃に遭った際に上記のようにご報告の記事を掲載することはとても誠実な対応で好感が持てる。また、一度サイバー攻撃に遭うと、その後は運営さんのセキュリティ対策の意識も技術も向上するので、攻撃されたことのあるサイトほど信頼できる側面もあると考える。現在でも元気にサイトを運営されているようなので、農業の求人に興味がある方はぜひご利用いただければと思う。 なお、ハッキング研究所の人がなんで農業のサイトに登録してたの?という純粋な質問については「研究の一環です」とお茶を濁しておく。。。

    ところで、なりすましをどのように防御するかについての説明ができていなかったが、こちらは「詐欺メールの見分け方 上級編」で述べるDMARC(ディーマーク)の導入によって、動画で例に挙げた脅迫メールのようななりすましを防ぐことが可能である。技術的な色合いの強い内容となってしまうが、比較的費用をかけなくても導入しやすい部分のため、なじみのSEさんやベンダーさんに相談してみていただければと思う。

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