本の紹介:「夕凪の街 桜の国」


「この世界の片隅に」を描かれた、こうの史代さんがもうちょっと前に書かれた作品です。先日の記事で「この世界の片隅に」の最後、ハッピーエンドのような錯覚に陥ったと書きましたが、こうのさんはとっくにその後のことを深く理解されておられたのですね。

この作品は、私が大学生になった頃(2004年)に描かれたようで、片隅にの方はその5年後に完結しています。…なんで今まで出会えていないのか。仮にも「情報系」の仕事をしている身としては、もっともっと情報収集能力を高めていきたいところです。

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感想(2件)


この作品は、戦後が舞台です。テーマは原爆です。被爆したものの生き残った人たちが、何を思いながら過ごしていたのかを教えてくれる内容になっています。途中つながりが見えないのですが、最後まで読むと全てがつながる構成になっていて、あーってなります。

あとがきで書かれている通り、描いている人自身が「ヒロシマ」(広島をカタカナで書くときは原爆に関することを示します)に苦手意識を持っており、なるべく避けてきた人だったそうです。同じ広島出身者としては、言いたいことが何となく分かります。H2Oの一角である広島の教育の中にあって、慈悲はないですよ。広島の人たちはこういう目にあった。でも、お前らが悪いんだぞ! 日本が仕掛けた戦争なんだから、このぐらい当然だろう。良かったじゃないか、これで戦争が終わったんだから、って。そりゃあ苦手にもなりますよ。

一方で、原爆を落としたB-29の搭乗員については悪人として取り上げられます。今にして思えば、え?そこなの?!って感じです。原爆を落とすこと自体は作戦行動です。それを命令した人たちにこそ憎悪の念を向けるべきはずです。つまりはアメリカさんであり連合国のみなさま(国際連合の常任理事国)。

同様に槍玉に挙げられるのが原爆を作った科学者たち。彼らだって、本来は人を殺すために研究していたわけではなかったはずです。今や技術者となった自分が、いつ同じような境遇に巻き込まれるかは分かったもんじゃない。意外と他人事でもないんですよ? サイバー戦争のさなか、間接的にでも何処かの誰かを手に掛けることになることも、ありやなしや…。


で、こうのさんの作品がマンガだから、ここに触れないわけにはいかないんですよね。まだ私の中で全然整理できないんですが…。そう、はだしのゲンです。小学校時代に私は、この漫画で原爆の70%以上を理解したと言っても過言ではありません。図書室には、はだしのゲンのマンガ(マンガとしては唯一)が置かれていましたし、原爆について学ぶ全校集会的な場で、はだしのゲンの映画を見たりもしました。他の都道府県出身の方の状況がどうなのかは、とても気になるところでもあります。

▼「はだしのゲン」の描写問題を検証する
http://www.kok。ueki.com/souken/gen/images.html

はだしのゲンの後半は共産勢力の意図が入っていて、見るに堪えないプロパガンダだということは今まで勉強してきた中で理解していましたが、1巻の内容にも問題があると指摘されていることには驚きを隠せませんでした。やばいな、これ…。ちゃんと買うなり、図書館で読み直すなりしてちゃんと認識を改めないと、自虐史観が知らず知らずのうちに転移して、いつになっても治らないぞ。


ウチのことも書いておきましょうか。ウチのじいちゃん・ばあちゃん(父方)は、昭和20年の8月には宇和島(愛媛)にいたそうで、そこからもキノコ雲が見えたそうです。ついでに言うと、玉音放送は雑音がすごくて何を言っとるんかさっぱり分からんかった、そうです。

じいちゃんは戦時中は医療班(衛生兵?)にいたと聞いた記憶があります。五体満足でしたが、特徴的なクセがありました。トイレに入る時に閉めないんですよ。半開きにしてる。どうやら、いつでも逃げられるように、ということで閉めないクセがいつになっても抜けなかったんだとか。私が中学3年生になる春、トイレで意識を失ったじいちゃんが、そのまま帰らぬ人となったのはまた別の話。

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